生まれてきてくれて、ありがとう。
皆さんからご投稿いただいた、
身近にある「おみごと!」を感じられるストーリーを紹介します。
破水したのに陣痛が来ない。初産で周りもドキドキの中、訪れた破水。猫は安産と聞くが、実際に産まれるまでは何が起きるかわからない。産箱を用意し、いつ産まれてもいい状態になってもなお、元気に走り回る母猫。
1時間、2時間…時間が過ぎても全く産まれる気配がない様子で動物病院に駆け込んだ。「破水したのに産まれません!」と焦る飼い主は無視して、母猫は院内を歩く。聴診器を当てた医師は、「心音が…。緊急帝王切開を行います。一度お家で待っててください」。
レントゲンで子猫の数を確認すると2匹。「もしかしたら1匹は無事かもしれないので、祈っててください」と医師。一度帰宅し、祈ることしかできない時間。何もできることはないのにウロウロとしてしまう。
長い長い時間が過ぎたところに着信音が鳴った。急いで取った電話の先からは「やはり1匹は残念でした」…あぁ、病院にもう少し早く行っていれば…などと考えていると「お母さんと残りの4匹は元気です!安心してください!」え?2匹の予定では??と混乱する私に「早くきてあげてくださいね~!!」と医師の声。
病院に着くと、キャリーケースの中には元気そうな母猫と子猫が。残念ながら1匹は虹の橋を渡ってしまいましたが、4匹は元気に鳴いている。「少し未熟児ですが元気な鳴き声なので大丈夫ですよ!」という医師に励まされて帰宅すると、用意していた産箱に入り、母猫の元へ。目も耳も聞こえない状態で母猫の元にいく子猫の姿を見ると、生きることは素晴らしいなと感じます。
帝王切開だったためか、母猫も産んだことが最初はわからず戸惑っていたが、すぐに自分の子だとわかり、子育てをしていた。
母は強い。子も強い。生まれてきてくれてありがとう!
(愛知県・Siritoricat)