三重県東員町の暮らしと魅力を伝えるニュースペーパー

子育て世帯の移住先として注目度が高まっている東員町。今回は子育て支援に取り組む4人の皆さんに、思いのうちを語り合っていただきました。

形は違っても気持ちは同じ　パパ、ママたちに休息時間を

今飯田さん　私がお弁当の無料配布を始めたのは、コロナ禍に入った頃、ひとり親世帯や子育て中のママたちが困っていると新聞で知ったことがきっかけ。パパ、ママが少しでも楽になれるようにという気持ちでやっています。

廣瀬さん　私も同じで、頑張ってるママたちが気楽に休める場所がないと感じたのが「OHANA」の始まりです。私自身が3人のワンオペ育児で誰にも頼れない状態になったとき、託児所を探しても金銭面や条件にハードルの高さを感じて。それなら自分で場所を作ってしまおうって。

笹岡さん　私は介護保険制度が確立した頃から高齢者に関わる仕事をしていますが、高齢者を支える上で「子どもが元気だと地域が活性化していく」と子育ての経験から感じていて。そんなときに子ども食堂の存在を知って、コロナ禍を準備期間と捉えてスタートさせました。

近藤さん　私は子育て中のパパやママが、1回でも調理や洗い物をしなくていいようにという思いから始めました。切り口や方法はそれぞれだけど、一人でも喜んでくれたらという思いは同じだね。

ほんの一言二言でいい　思いを吐き出せる場所に

今飯田さん　お弁当支援のサービスを始めて印象的だったのは、「愚痴がこぼせる」という声をもらったこと。利用者さん同士の会話はもちろん、私が「最近元気ないね、どうしたの？」って声をかけると、子育ての悩みが出てきたり。

近藤さん　そうだよね、「たんぽぽカフェ」のお客さんも「大人としゃべりたい」って言います。赤ちゃんと2人きりだと、話しかけても大人の言葉は返ってこないもんね。

廣瀬さん 「OHANA」の場合は、ボランティアスタッフに看護師、助産師、保健師、発達支援アドバイザーなど、専門性の高い資格を持つ人がいるので、気軽に相談できる場所があるのは助かるって声をいただきました。

笹岡さん　そうなんだ。「なかよし食堂」は赤ちゃんが主というより、小学生ぐらいの子どもが友達を連れて来てくれることが多いので、直接学校での話を聞いたりしますね。私も含め「なかよし食堂」に関わる人の居場所になればと思います。一人の親としても、地域の人に見守ってもらえたり、助けてもらえたりする支援が手厚いと助かるんですよね。子育て中、自分にふがいなさやストレスを感じてしまう人が一人でも減ったらうれしいなと思います。

今飯田さん　そうですね。私は、子どもたちが「困ったときに優しく手を差し伸べてもらえた」という体験をすることで、大人になったときに次の世代にも同じように接してほしい。私たちの活動や思いをつないでくれたらと思っています。

近藤さん　30年前に比べて、東員町は支援も充実してさらに子育てしやすい町になっているよね。私たちのような活動がきっかけとなって、この町の子育て環境をより良くするための輪が広がったらうれしいですね。

4人それぞれが描く子育て支援の未来

近藤さん　将来的には、「たんぽぽカフェ」を親子サロンに変えていく予定です。赤ちゃんとコミュニケーションをとるためのベビーサイン教室も実施しているので、学びのある親子サロンにしていきたいと考えています。

今飯田さん　私は正直なところ、いつまで続けるかはあまり決めていなくて。やれるところまで頑張って、もし世代交代のときが来たら誰かにバトンを渡せるのが理想的ですね。

廣瀬さん 「OHANA」に関しては、まず存在を知ってもらうのが一番。親になると、自分を大事にしたくても子ども優先になりがちですよね。少しでも余裕が生まれて、自分自身と向き合える時間を提供できるように、「OHANA」という場所を知ってほしいと切に願っています。

笹岡さん 「みらいへのいっぽ」としては、学習支援なども考えています。あとは自分自身の子育てで食育をすごく大事にしていたので、パパもママも子どもも安心して食べられる、駄菓子屋を開くのが個人的な夢ですね。

座談会を終えて・・・

座談会を終えた参加者の皆さんに、今日の感想や子育て中の方へメッセージをいただきました！

たんぽぽカフェ

実家へ来たような安心感で安らげる子育て応援ひろば
座談会はこちらのカフェで開催！

赤ちゃんと過ごせるカフェや少人数向けのレンタルスペースが利用でき、1月からは親子で楽しめるサロンとしてリニューアル予定。オムツ替えコーナー・授乳室も完備。イベント情報は公式SNSで発信している。

まんまや ひなた

地元の食材を使ったお弁当でひとり親世帯をサポート

昼間はランチメニューも提供する家庭的な居酒屋が、お弁当の無償サービスを開始。東員町在住で高校生までの子どもを持つひとり親世帯が対象となる。予約方法や実施日は公式SNSをチェック。

ボランティア団体OHANA

専門性の高いスタッフがパパやママの自由時間を応援

2023年、「脱・孤育て」をモットーに発足したボランティア団体。1家族2時間500円で、保育の資格を持つスタッフや子育て経験者が常駐する託児サービスを受けられる。イオンモール東員で水曜日に実施しており、予約は電話か公式SNSで受付中。

みらいへのいっぽ「なかよし食堂」

大勢でたべるおいしいごはん　みんなの居場所の一つに

2021年に活動を開始した市民活動団体・みらいへのいっぽ。毎月第4日曜日に六把野新田コミュニティセンターで「なかよし食堂」を実施し、中学生までは無償でごはんを食べることができる。世代間の交流促進や子どもの居場所づくりに貢献。